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風邪引き天狗(前)

こんばんわ。
無事英語のレポートを提出することができ、ヒャハーと喜んでいたら新しい課題が出ました鹿山です。
もう……嫌だ…
あと少しでテスト期間です。

今日の更新は、久しぶりのもみあやです。

え? ゆかてん? 何の話ですか?
……友人(仮)ごめん!
恨むなら英語と、英語のできない鹿山さんにしてください。
続きから、風邪引き天狗(前)です。(後)はのちほど。
これは、幻想郷でとある病が流行した時の話。
その病は人間はもちろんのこと、妖怪も例外でなく感染した。
医者は暇なくらいがちょうどいい、という言葉があるくらいに、
彼らは寝る間を惜しんでまで治療を続けたのだ。
しかし、ある医者はあまりの忙しさに逃亡し、
その後人里の半獣の元で隠れているのを発見された。
あるマヨヒガでは、家事全般を担当している妖獣が倒れ、
その主と式がてんてこ舞いになった。

これは、そんな日が続いた、ある日の妖怪の山でのヒトコマである。





肌寒い風を切りながら飛び続ける。
私、犬走椛は急いでいた、とにかく急いでいた。
先ほど家で休んでいた時のことである。
窓を叩く音がしたので、何かと思い開けてみると一羽の烏がいるではないか。
ただの烏ではない。文様の眷属である。
その烏が伝えることには、文様が体調を崩されたという。
いてもたってもいられなかった私は急いで文様の元へと向かうことにした。
文様を心配してのお見舞いである。やましい思いはないと思っていただこう。
しかし、文様が体調を崩されるとは珍しい……
そんなことを考えながら私は文様の家へと向かっていった。


「文様、大丈夫ですか」

挨拶をしつつ、部屋に上がる。
布団で寝ていた文様は私に気付くと起き上がろうとしたが、それを手で制した。

「駄目ですよ文様、大事になさってください」
「……ありがとう椛」

答える声にも張りがなく、よほど体調が悪いのだと理解できた。
しかし、弱っている姿もまたとても可愛らしい。
特に少し荒い息使いと、潤んだ瞳が最高だ。
私を誘っているのかと、小一時間問い詰めたいくらいである。
そんな私の様子に気付いたのか、文様は怪訝な表情になり始めた。
妄想を悟られないように私は質問した。

「とりあえず、何か食べましたか?」
「んー……食べてないけど、食欲ないからいい」
「そんなこと言わずに……何かお腹に入れておくだけでもいいですから」

台所借りますと残し、場を離れ一息。
普段と違う凛々しいお姿ではないが、これはこれでやはり素晴らしい。
思わず理性が吹っ飛びそうなほどの攻撃を仕掛けてくる。
流石は文様。
もし、一息つけなければ、あやうく大変なことになっていた。
改めて自分がどれほど文様のことが好きなのか実感することができた。
そして、文様が自分を頼ってくれてうれしい、と思った。
文様はあまり私に弱みを見せようとしてくれない。
けれど昔は迷惑ばかりかけていた私は今、文様の役に立っている。
そう思うだけで目頭が熱くなる。
半分泣きながらも、お粥を作り始めた。





「おいしかったわー、ありがとう椛」
「はい、お粗末様でした」
「椛も料理できるんですね、隅に置けませんよ」
「……いえ、お粥ですから文様」
「特に塩気が効いてて良かった」
「……ソウデスネ」

その塩気が何なのか言うことはできない。
言えない、私の涙です、だなんて。
私は、文様と目を合わせずに答えた。
文様は、そんな私の様子を怪しんでいたが、
まぁ、思春期だから…、ということで納得したようだ。
食事を取ったことでで幾分楽になったのか、普段の文様に近づいてきたように思える。
しかし、文様と長い間過ごしてきた私には、やはりどこか無理をしているようにも見えた。

「そろそろお休みになったらどうですか?」
「別に眠くないですから大丈夫よ」
「治ったわけじゃないんですから……」

文様は昔から無理しすぎる性格であるので、強めに言わなければわかってくれないだろう。

「文様、いい加減―――」
「それにね、一人ぼっちで少し寂しかったのよ……」
「へっ……?」
「椛と話して少し楽になったのよ……あと少しでいいから、ね?」

上目遣い+潤んだ瞳、このコンボに耐えられるであろうか、いや無理。
ああやばい、この溢れ出る気持ちはどうすれば抑えることができるのか。
そうだ素数を数えるんだ、1、2、3、5……あ、1は素数じゃない!
というかこの人は誘っているのか、そうなのか?
こういうときは一体どうすればいいんだ、河城!
これがお前の言ったチャンスなのか?
ならば、もう言うしかないだろう!

「文様っ!」

ガバッ!

「ふえっ?」

勢いに任せて立ち上がったが、それがまずかった。
長い時間座っていたためか、私の足は痺れてしまっていたのだ。
立ち上がるや否や倒れこむ私。

べちん!

「――あたた……」

うっかり転んでしまったが、思ったよりも痛みがない。
というより、やけに柔らかい床である。
いや、床ではなく布団の上なのか。
なんにせよ助かった……

「あの~…椛、ちょっといい?」
「はぁ……?」

先ほどよりも近い位置から文様の声が聞こえる。
それにいい匂いがする、自分の好きな文様の匂いだ。
そういえば文様はどこにいるのだろうか。
そう思いながらふと身を起こす。

「どいて欲しいんだけど……」
「…………」

どういう訳か、私は文様の上に乗っているではないか。
おそらく、転んだ際にそうなってしまったのだろう。
そうか、文様は私の下に……

「――って、すいません!」
「……声が大きい、頭に響く…」

眼前には文様の顔、近い、近すぎる。
まだ心の準備というものができていないのに。
お互いの動きが止まる。
だが、これは千載一遇のチャンス。
この機を逃すわけにはいかないだろう。
覚悟を決めた私は、

「文様……!」
「な、何?少し怖いんだけど……」
「私は……ずっと文様のことが―――」

ガチャッ
突然部屋のドアが開く。


「あーやー、大丈夫かー。にとりさんだ…よー……」

部屋に入ろうとしたにとりがこちらを見る。
こちらもにとりを見る。
凍りつく空気。
そして―――

「……お邪魔しました」

バタンッ!

一瞬何が起こったのか理解できない二人。
しかし、椛は即座に理解したのか、
顔を真っ赤にして立ち上がり、

「待て!河城!」

逃げるにとり、追う椛、取り残される文。
一部始終を見ていた烏はため息をつくしかなかった。

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鹿山アトリ

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