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看病

PSPが壊れたと思ったら、別にそんなことはなかった。
流石PSP、1mくらい落下してもなんともないぜ。
でもMSを読み込まなくなって若干焦ったのは内緒の話です。
正直PSPが壊れたら、外で音楽聴ける道具が携帯だけになっちゃうんだぜ…

あと自称ゆかてん、に関しては近日公開します。
すごく穿って見ればきっとゆかてんに見えます。たぶん、きっと。
って友人に言ったらすごく怒られました。

そんなこんなで、続きからもみあやです。
どうでもいいことですが、夏によく風邪をひきます。
暑いのに、毛布をかぶって寝るとかもう自殺行為だと思わざるをえません。
でも、今年はまだ風邪ひいてないのでちょっと油断してますが、きっと近日中にひくでしょう。
あと、映画を観に行きたい。
安西先生……さまーうぉーずが観たいです…

「……はぁ……参ったなぁ……」

椛は、布団を被って寝転びながら呟く。
起床した際から、何やら自分の体調に違和感を覚えて体温を測ったところ、見事なくらい平熱よりも高めという結果。
加えて頭痛や食欲不振といった症状も確認できるため、ここで椛自ら下した判断は、風邪というものであった。
原因は分かっている、昨日の通り雨だろう。
雨に濡れた後、きちんと処理しておけばよかったのに、何だかんだあって結局濡れたまま長時間過ごしてしまったのだ。
おまけに、ある出来事の所為で、いやおかげというべきであろうか、緊張してしまい、それも今回の体調不良に拍車をかけたのではないか、と椛は正常ではない思考で判断する。
別に文が悪いという訳ではない、どこからどう見ても自分が悪いのだ。10対0くらいの割合で悪いのだろう。
その上、あのような美味しい出来事があったのだ、風邪を引いても御釣りがくる、というものであろう。
椛は昨日の事を思い出し、思わず頬を緩める。
ともあれ、先ほど同僚が様子を見に来てくれたおかげで今日は何とか休めるようだ。
気遣いのできる友人に感謝しながら眠りにつくために瞼を閉じる。
熱の所為もあったのか、気絶するように椛は意識を手放した。



「しかし、風邪をひくなんて珍しいこともあったもんだ」

にとりは、椛の家に向けて歩きながら呟いた。
健康が取り柄の椛が風邪をひいた、そう椛の友人から聞いたにとりは、自分の目で確かめなければ信じられない、そんな気持ちで一杯だった。
少しして、漸く椛の家に到着したにとりは静かに、ゆっくりと扉を開けた。

「……お邪魔しまーす」

部屋に入ったにとりは、辺りを見渡し、部屋の真ん中に布団をかぶった新種の生命体が存在することに気がついた。
……なんだろうアレ、と好奇心旺盛なにとりは思った。
ひとまず、コンタクトを取るべき、一瞬のうちにそこまで考えたにとりは、手を振り、恐る恐る近づいて言った。

「……言葉通じてますか? 私の言っていることが理解できますか?」
「―――何言ってんだ、お前は!?」

とうとう頭がおかしくなったのか、そう言いたげな椛は、思わず布団をはねのけて立ち上がった。
正体が椛とは思っていなかったのだろう、にとりは安どの表情を浮かべつつ、少々残念がりながら、

「……なんだ……椛かー……未知との遭遇かと思ってちょっとわくわくしたのにー……がっかりだよ」
「……何で残念がってるんだよ! 何で私が悪いみたいに言ってるの!?」
「椛、風邪引いてなんかテンションおかしくなってないかい?」
「誰の所為だ、誰の!」
「……さぁ?」
「……もういい、声出し過ぎて頭痛くなってきた」
「あ、椛風邪引いたんだって? さっき聞いたよ」
「それを知ってて、どうしてこんな状況になったのかな、河城君?」
「ノリ」

もうコイツには構うまい、そう思った椛は再び布団をかぶってにとりが来る前の状態に戻る。
そして、頭だけを出して尋ねた。

「……で、何をしに来たんだ? 正直言って眠いんだが」
「さっき言ったじゃん、風邪引いたって聞いたから……」
「……河城……お前まさか……!?」

何というにとりの気遣いに、言葉に困る椛。
そして、気がついた時には、今の気持ちを率直に口にしてしまっていたのだ。

「……そうか、ありがとう河城」
「いやいや、お礼なんて―――」
「じゃあ、早く帰れ、今すぐにだ!!」
「……あっれー? 何でそうなるのかな?」
「私の事を心配するのなら、そっとしておいてくれ……」
「えー……そんなの面白くないじゃん、珍しく風邪引いたのにさー」

つまらない、とでも言いたげなにとりの顔を見た椛は、純粋にただ一つの感情が浮かんできた。しかし、一応は心配して来てくれた友人であるのだ、ここで腹を立てて追い返すのはどうだろう、そう椛が思った時だった。

「ところで、そろそろお昼なんだけど、なんかない?」
「お前もう帰れよ!」

思わず叫んでしまった椛だったが、すぐに後悔することになる。
その原因は、

「……だって、仕方ないから帰ろっか、文」
「――――へ!?」

にとりの視線を追って椛は窓の方向を見る。そして、そこにはやはり。

「……そっか、椛も一人になりたい時くらいあるものね」
「そうそう、せっかく文に色々取ってきてもらったのに、この子ったら……」

どうしてここに文様が? 何時から? いや、今のを聞かれてしまったのか!? 数秒前の自分を呪いながら、縋る思いでにとりに助けを求める。が、

「仕方ないね、椛も風邪引いてるから、一人でゆっくり休みたいんだよ……じゃあ言う通りに帰ろうか」

と、全く残念でもなさそうな、むしろにやにやとした笑みを浮かべながら椛の出方を窺うにとり。
そして、突然回れ右すると、玄関に向かって歩き始め――――

「いやいや河城さん、一人はちょっと辛いかもしれませんね、こういうとき、誰かいてくれると本当に助かるんですけど!!」
「……椛、大丈夫? 熱の所為でちょっとおかしいわよ」
「そ、そうですか、やっぱり風邪がちょっと酷いみたいですね、誰かに看病してもらいたいですね、本当に」

頭痛を無視して捲し立てる椛。その様子がいつもと全く異なっていることに驚く文に対して、椛はますます笑みを濃くする。
そして、爽やかな笑みで振り返ったにとりは、

「仕方ないなぁ、そこまで言うのなら看病してあげようか、文?」
「そうね……ちょっとここまでおかしくなるなんて……想定外だったわね」
「(河城は後で絞める)た、助かります…」
「椛、別に無理しなくてもいいのよ?」
「べ、別に無理なんて全然してませんよ」

この瞬間の椛は、いつもよりも元気だったという。




椛は幸せをかみしめていた。
というのも、あれからしばらくの間、椛は看病されていたわけだが。

「はい、お粥作ったから食べなさい。少しでも食べないと治るものも治らないでしょう? はい、あーん」

やら、

「なぁに? 眠れないの、じゃあ添い寝してあげるから……遠慮しないの! 眠らないと治らないんだから!」

といった風に思わず椛は自分が天国に旅立ってしまったのではないかと、頬を引っ張ること数回、といった具合である。
そんな椛たちの様子を傍で見ていたにとりは、初めは微笑ましいなぁと思いつつ、今では部屋の隅にうずくまり、ボソボソと、「バカップル怖い怖い……」と呟くだけになってしまった。
しかし、今の椛たちに誰かの言葉が届くことなどあるはずもなく、にとりの悪夢は数時間続いたのだった。
そして、2度とこんな場所にはこない、とにとりが決心するのもまた、そう遠くはない未来である。

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