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衣玖の災難、後日談

ちょっとホワイトキャンバスに行ってきました、鹿山です。
というのも、紅楼夢のカタログを買いに行ったんですが、どうやらまだお店に並んでいなかったみたいで、ちょっと無駄足でした。
でも、欲しかった同人誌が買えたので、収穫があっただけでも良かったです。

紅楼夢といえば、鹿山さんの友人の野。さん群雲さんが参加なさるようです。
自分もそれにお邪魔するかたちでついて行く予定ですので、是非足を運んでください。
多分売り子してるよ! 寂しいからどんどん話しかけて下さい。寂しいから!

続きから、東方SSです。
昨日の騒動から一夜が明けた。
あの後、霊夢から怒られた3人はとりあえず衣玖の家に行くことになり、そして、何故か泊っていくことになったのだった。
朝になったら帰って下さい、と言う衣玖に対して、紫と天子はけん制しながらも我先にと衣玖の隣で寝ようとしてきたのだ。
しかし、自らの身の安全を守りたかった衣玖は部屋の壁側に陣取り、2人からなるべく離れる様にして壁と向かい合って眠った。
目が覚めた衣玖は、何故か体が動かないことに気がついた。特に両腕が、何をやっても動かない。
金縛りに遭ったのだろうか、そう思い衣玖は周りを見渡す。そして、思わず笑ってしまった。
それもそのはず、離れて寝ていたはずの紫と天子。
なぜ、紫と天子が衣玖の両側に居るのか。
それから衣玖は眠っていたために知らないのだが、ここでも紫と天子がどちらが衣玖の隣で眠るのかというプチ喧嘩をやらかし、最終的には2人で協力して衣玖をこっそりと部屋の中心に移動させ、その両側に寝るという妥協策で手を打ったのだった。
そのことを知らない衣玖は、自分が寝ぼけてこうなったのだろうか、と憶測する。
少し頑張って拘束を外そうとする衣玖だったが、全く外れることはない。だからと言って、無理やり起こすのはどうだろうか。
特に、紫は普段1日のほとんどを睡眠に費やしていると衣玖は聞いていた。
そして昨日、珍しく紫は長時間起きていたのだ。そのためか、紫の眠りは天子よりも深いように見える。
このまま2人が起きるのを待つべきなのだろうか。そう思った衣玖だったが、
……このまま起きるのを待つのは面倒ですね。
脳裏にそんな考えがよぎる。
いや、でも、こんなにもぐっすり眠っている2人を起こすなんて……
そこまで考えた衣玖だったが、昨日の事を思い出してしまい、だんだんと腹立たしい気持ちになっていき、気づいた時にはスペルカードを手にし、ついには、


「雷符『エレキテルの龍宮』」





「あのね……確かに昨日の事は謝るわよ、でもね、ここまでするのは私、違うと思う」
「紫と意見が被るのは嫌だけど、私もそう思う」
「……何か仰いましたか?」
「「いえ、何も!」」

笑顔で聞きなおす衣玖が、何故か恐ろしくて何も言うことができない紫と天子。
思わず2人とも背筋を伸ばし、正座になる程である。
気まずい空気が辺りを支配し、紫に至っては呼吸を忘れ酸素欠乏に至る寸前というところまで来ている。
そんな気まずさの原因である衣玖は、現在朝食を作っている。
せっかくだから何か作ってあげます、という衣玖の心配りに思わず2人は心で涙した。
そんな調理場に立つ衣玖さんを、ちらりちらりと見ようとする紫と天子。
どうしてそんなことをするのか、といえば、調理場に立つ衣玖さんは現在、羽衣の変わりにエプロンを着用している。
その姿を、2人が目に焼き付けないはずもなく、あわよくばもう少し近くで見たい、でも隣の奴には見せたくない。
と、2人は全く同時のタイミングで考えていた。
先に動いたのは天子、元気よく立ちあがると、

「衣玖! 私が何か手伝ってあげる!!」

これには流石の紫も若干の焦りを覚えた。
紫は、考えているだけで行動に移すことができなかった己を呪う。
しかし、

「いえ、総領娘様に手伝っていただくなんて恐れ多くて……すぐにできますから座って待っていて下さいね」
「えっ!? ……それなら仕方ないわ……ね…」

衣玖に悪気があったわけではないだろうが、一瞬のうちに行動を封じられてしまった天子は、言われた通り三角座りで待機するしかなかった。
そして、当然のことながら紫がこの好機を逃すはずがなかった。
落ち込む天子を尻目に、スキマを開け、衣玖の背後に移動する。
そのまま腕を広げて衣玖を抱きしめるように―――

「――――おっと、危ないですよ」
「ひぃ!!」

紫を見ずに包丁を突き付ける衣玖。
眼前に包丁を突き付けられた紫、というかもう既に額に先端が5ミリほど刺さっている。
やや遅れて血が流れ出し、紫は無言のままスキマで元いた場所へと戻った。
そして紫もまた天子と同様に三角座りで待機することとなったのだった。



「「……………」」
「どうしたんですか? 食べないんですか?」

衣玖の問いかけにも口を開かない2人。
返答しないのではない、できないのだ。それも全て、目の前に置かれた物体の所為である。
驚愕というよりは唖然、2人はそんな表情を浮かべて動くことをやめてしまった。
対する衣玖は、どうして2人がこのような状態になるのかを全く理解することができないようだ。
せっかく朝食を出した、というのに手を出さずそれを見続けてしばらく時間が経過した。
しかし、どれだけ時間が過ぎようとも、2人は手を出そうとしない。
動かない箸を見つめていた衣玖は、やや落ち込んだような声色で尋ねた。

「……あの、もしかしてお嫌いでしたか? お茶漬け」

以前、衣玖が博麗神社を訪れた際、珍しく機嫌の良かった霊夢は、突然やってきた衣玖にこれを御馳走したのだ。
天界にはこのような料理がなく、大変珍しく感じた衣玖は、味もそれなりに美味しかったことから常々天子に作ってあげたい、そう思っていた。
その良い機会であったにも関わらず、食べようとしない2人に衣玖はショックを隠しきれなかった。
しかし、そんな衣玖の様子にも2人は気付かない。
紫は前々から、天子は以前魔理沙からとある話を聞いていたのだ。
それは、とある国のとある場所での、来客者にお茶漬けを出す、ということの意味である。
そこでは来客者にお茶漬けを出した場合、暗に帰宅を仄めかしているというサインであり、これを食べると帰宅しなければならない、と2人は考えているために手を出すことができないのだ。
せっかくの衣玖の手料理だというのに、食べたいのに食べられないという事態に苦しむ紫と天子。
だが、ここで2人は大きな勘違いをしていたのだった。
それは、別に衣玖は2人を急いで帰らせようとするためにお茶漬けを出したのではなく、ただ単に作った、ということだ。
それどころか、どうして食べてくれないのか、もしかして自分が何かやってはならないことをやってしまったのか、と衣玖は思うようになり、ついにはなんだか申し訳ない気持ちになった。
気付いたころには視界がじんわりと滲みだし、俯きがちになる衣玖。
それに気付いた紫は、即帰宅するのか手料理を食べるかを脳内で天秤にかける。
そして気づいた時には既に手に茶碗を持ち、箸を握っており、それは天子も同様であった。
そのまま我先にというようにお茶漬けをかき込む2人。


食べ終わった後、慌てて帰ろうとする2人を、衣玖が慌てて止めたのはそれから少ししてからの事である。

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