FC2ブログ

八意先生(以下略 後日談

予告通りの更新です。
続きはない、とか言っておきながら…
ということで、読んでやる!という方は続きからどーぞ。

朝の陽ざしを顔いっぱいに受け、妹紅は目を覚ました。
すがすがしい目覚めである。
身を起し、身体を伸ばす。
いつも通りの朝である。


一息ついたところで、昨夜のことを思い出した。

「……そう言えば昨日は慧音の家に泊ったんだっけ」

昨夜は慧音の為に、永琳と協力して夕飯を作った。
そして、慧音は私の頭を撫ぜてくれて…
とにかく最高な一日だったなぁ…
思わず頬が緩んでくる。
そんなことを考えていると、ふと、台所から音が聞こえるのに気づいた。
なんだろう、そう思い私は布団を畳むと、台所へと向かったのだった。





トントントン
軽快な音を立てて食材が切られる。
私が台所に入ると、何故か永琳が朝食を作っていた。
昨日の自分の手際と比較しても驚くべき違いがある。
一連の動作に無駄はなく、二本の腕はまるで違う生物のように動く。
私は衝撃とある種の感動を受けて、永琳を見た。
呆気に取られている私に気付いた永琳は、

「あら、おはよう妹紅」
「お…おはよう」

にこり、と笑顔を向けてくる永琳。
しかし、手元は全く乱れることがない。
ここで私はある事実に気がついた。

「って…何でアンタがここにいるんだよ!」
「朝から元気ねー。もう遅いから泊っていけって、慧音が言ったのよ」
「そ、そ、んなことが―――」
「おはよう二人とも!」

何も知らない慧音が部屋に現われる。
事実だと信じることができなかった私は、慧音に掴みかかる。

「慧音、永琳が何でいるのさ」
「何を言ってるんだ妹紅?」

必死な私に対し、慧音はどこ吹く風といった様子。
そんな私たちを見かねてか、永琳が、

「何で私がここにいるのか、疑問らしいわよ」
「なんだそういうことか」
「最初っから言ってるじゃん!」
「夜も更けていたからな、女性一人を危ない目に遭わせるわけにもいかないだろう」
「う…それはそうだけど」
「妹紅に言うこともできなかったしな」

慧音は優しすぎるよ…ていうか、色んなものを分かってない…
そう思いながら慧音の服から手を放そうとすると、あることに気づいた。

「ねぇ慧音、肩に何か傷があるけど。どうしたの?」

よく見ると、それは何かに噛まれたような跡だった。
もっとよく見てみよう、そう思った瞬間、慧音は勢いよく私を引き剥がし、
素早く部屋の隅に離れた。
どうしても気になった私は、慧音に近づこうとする。

「ま、まて妹紅!大丈夫だ、私は大丈夫なんだ!!!」
「何がさ……変なのに噛まれてたら大変だよ、ちゃんと見せてよ」

近づく私と、離れる慧音。
不毛な追いかけっこを終わらせたのは、料理も終わり様子見していた永琳だった。

「…二人とも、ここで走り回ると危ないわよ……?」

どこか呆れた様子で窘められてしまい、言葉も出ない私たち。
特に慧音は顔を真っ赤にして俯いてしまった。
その様子も可愛いなぁと、思いつつ永琳に謝るために振り返る。
すると、今まで気づかなかったが、永琳の首筋にも何かあるのを見つけた。
気になった私は永琳に近づき、そして問いかけた。

「ねぇ永琳、首のあたりが蚊に刺されてるよ」
「……蚊?」
「もうそういう時期なんだね、ほらここが赤くなってる」

鏡を手に取り、永琳に確認を取る。
それを見た永琳は何かを考えていたようだが、
思い当たる節があったのか、頷き、答える。

「そう言えば、昨晩刺されたかもしれないわ」
「そうなのか?痒くない?」
「ええ、そういうのは全くないわね」
「ふーん、珍しい蚊だね」
「ふふっ。そうね」

ちらり、と永琳は慧音を見る。
視線に気づいた慧音は更に顔を赤くしてしまった。

「ほら妹紅、私のうなじは特に刺されてないかしら」
「本当だ。痒いの?」
「そうね、昨日の蚊はここが特に好きだったのかしらね?」
「私も気をつけることにするよ」
「そうしなさい。私もきっと刺されたのは首だけじゃないわ」
「うわー、それは嫌だ…」
「全くね、ほら妹紅、これ運んで待ってなさい」

そして、永琳に私は促されるまま、居間へと向かうことにした。





「……馬鹿」
「……すまない」

永琳の冷たい一言に、撃沈する慧音。
身体中についた跡を確認し、ため息交じりに言った。

「あと少しで妹紅にバレるところだったわね…」
「…本当にすまない」
「別に謝ってほしいわけじゃないわ、限度があるって話よ」
「それは……そうだが…」
「……はぁ…優曇華になんて説明したらいいのかしら…」

言葉を失う慧音を睨む永琳。
圧力に耐え切れなくなった慧音は、

「…仕方ないじゃないか」
「仕方ないって?」
「…貴女があんなに可愛いから……」
「えっ――!」

慧音の思わぬ一言に、真っ赤な顔をする永琳。
突然の発言から訪れる沈黙。
そして、慧音は永琳の肩を掴み。
お互いの距離を近づけ、そして、

「おーい!早くご飯にしよーよ」

慌てて離れる。
少しの間無言が続くが、やがて、

「うふふっ。やっぱり妹紅は色んな意味で美味しいわね」
「…全く、後で頭突きだ……」

妹紅の間の悪さに落胆する慧音と、笑う永琳。

「さぁ、妹紅が待ってるわ。早くご飯にしましょう」
「…そうだな」

互いに笑い合うと、二人は料理を運び始める。
慧音は両手に皿を持って居間へと向かおうとする。

「ねぇ慧音」
「なんだ―――」

ちゅっ。

「料理冷めるわよ」

そう言って、永琳は居間へ行く。
何が起こったのか理解できなかった慧音だったが、
頬の感触に気付き、思わず顔を真っ赤にしたのだった。

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

プロフィール

鹿山アトリ

Author:鹿山アトリ
もみあや大好き。あとにとひなも。
と言いつつ、雑食気味に色々書いていきます。

メールは
cocoa.rich(あっと)gmail.com
(あっと)を@に変えてください。

ツイッターはじめました。
ついった

基本的にリンクフリーですが、
相互リンクの場合でも、何か一言下さるとありがたいです。

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QRコード